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法律文章のルール 日本語編
読点
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法律文書の読点
政府の各省庁が立案する法律案は内閣法制局で、議員立法の法律案は衆参両院の法
制局で、文章のチェックを行います。 その際に句読点の打ち方のルールも定められて
います。 このルールに従って、法律文、政令、省令、規則が書かれています。
このルールは、訴訟文書を書く法曹(弁護士、検察官、裁判官)や契約書を書く実務法律
家にも影響を及ぼしています。 したがって、法律文書を翻訳する際にも、この用法を覚
え、これに依らなくてはなりません。
a) 主語の後の読点
主語の後には必ず読点「、」を打ちます。
例) 「国会議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中は、逮捕されない。」
(憲法第50条)
契約書においても同様で、主語が短くても必ず読点を打ちます。
例) 「甲は、毎月○○万円の家賃を乙に支払う。」 (賃貸借契約)
b) 語を列挙するときの読点
語を列挙するときには読点「、」を打ちます。
例) 逮捕状には、被疑者の氏名住所、罪名、被疑事実の要旨を記載しなければならな
い。
このような列挙はナカグロ「・」で区切ってはなりません。 「氏名住所・罪名・被疑事実の
要旨」ではありません。 ナカグロ「・」で区切るのは、一語の場合、複数の語を一括して
ひとつの概念として提示する場合です。
c) 文を並列するときの読点
等価値の分を並列するときに、前段の文の終わりに読点「、」を打ちます。
例) 「刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与えられ、公平な裁
判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。」(憲法第37条参照)
「売主は、買主所有の別紙の家屋を買主に売り渡し、買主は、これを買い受けるも
のとする」
d) 従文節を主文節と分ける読点
法律文には「○○した場合」「○○したときは」(条件)、「○○する時に」「○○する間に」
(時点)、「○○するにも拘らず」(譲歩・反意)、「○○であるので」(理由)などの従文節が
主文節と組み合わさることが多くあります。 厳密に条件などを示すために、制限的な従
文節をつけるのです。
例) 衆議院が解散されたときは、解散の日から40日以内に衆議院議員の選挙を行
う。」(憲法第58条参照)
e) 副詞句・副詞節の両端につける読点
契約文や法律文には意味を限定する副詞句や副詞節が多く使われます。 「何等通知を
することなく」とか「原則として」「○○の間」というような副詞句や節です。 これらの副詞
句や副詞節の両端には読点「、」をつけます。
例) 「賃貸人は、何等の通知を要することなく、随時、本契約を解除することができる」
「裁判官の報酬は、在任中、これを減額することができない」
f) 文の始めの副詞や接続詞の後の読点
契約文や法律文は論理的に書かねばなりませんから、文の論旨を発展させたり転換し
たりする際には、その旨の副詞や接続詞を文頭に置きます。 「ただし」「にもかかわら
ず」「たとえば」などの副詞、接続詞、ときに副詞句です。 これらの後には、それが論旨
の発展や転換であることを示すため、必ず読点を打ちます。
(Babel University 『法律文章日本語表現ルールブック』より)
(c) Babel University 2009